『スッキリ綺麗で見やすいサイト』、多くの企業がこういったサイトを持ちたいと思っています。
ところが不思議なことに、『自社内にデザイナーがいるから、そのデザイナーに出向サイトのデザインをさせてウェブサイト作りたい』という方がいらっしゃいます。
これがかなり多くの悲劇を生みます。
まず、大きな問題としては、ポスターデザインや梱包デザインと、『ウェブサイトのデザイン』は全く異なるということです。
ポスターであれば四角い枠の中にきれいに文字画像を納めればオッケーですよね。
また梱包デザインでも折り曲げたところでデザインがしっかり見えるようにしていればそれで全く問題がありません。
ところがウェブサイトでは大きく異なります。
一番の違いは何かと言うと、プログラムなんです。
ウェブサイトの上では、全ての文字画像がプログラムで表示されています。ただ、ペタッと文字と画像貼り付けただけではないのです。
しかも、パソコン用とタブレット用、モバイル用で文字や画像の見方が自動的に変化するようにプログラム構築されていたりもします。
ところが多くのウェブサイトデザイナーではないデザイナーの方がデザインをすると、ワードの毛が生えたようなものと勘違いして膨大な無茶ぶりが始まります。
例えば1行あたり50文字以上ある文章を中央揃いにしてみたり、自分の好みでおしゃれだからと黒で統一してみたりといった感じですね。
ウェブサイトのデザインは集客にもろに影響を及ぼすので、自分の好みでデザインをしてしまうと最悪なことになります。
例えば顧客ターゲットが40代から60代の方である場合、目の衰えもあり、あまり鮮明すぎる色デザインは好まれません。
ギラギラして見づらいという風な印象もたれてしまうのです。また、小さすぎる文字も同じですね
同時に、スマートフォンで見た場合の文字の見え方も検討する必要があります。
背景が黒で濃いめの灰色の文字などは見た目はオシャレに見えますが、文章をいざ読もうとすると相当見づらいです。
これはかなり不親切なウェブサイトになってしまいますね。
社内デザイナーを使ってデザインをすると、これ以外にも色々な不具合があります。
プログラムを使って商品をたくさん追加していく場合、プログラマーは通常、『なるべく効率よく商品データをアップできるよう』
に商品カテゴリーのページや個別商品のページのデザインを揃えて見やすく、かつ一括でアップロードできるように製作しようとします。
ところがデザイナーの言う通りに作ってしまうと、カテゴリーページやそれぞれの商品ページでさえ、カスタマイズされたデザインを持ってこられるようになります。
まず制作だけで時間が割かれてしまいます。効率的に同時にプログラムを使って統一されたデザインで作成させてもらえないからですね。
そしてそれだけではありません。プログラムで統一されていないカスタマイズだらけのページをたくさん作ってしまうと、いざ新しいページを追加しようとしたり商品を大量にアップロードしたい場合などに、それぞれのページでまたカスタマイズなければいけなくなります。
通常ならエクセル一枚でアップロードして終わりだった100商品100ページのサイトを作る作業が、何時間何十時間もかかってしまうということになります。
本来ならばエクセルを直接アップロードしており、だったはずなのにです。
まるで二、三十年前のウェブサイトを作るような感じです。
ましてや海外の法人でローカルスタッフにデザインをさせると、もっと最悪なことになります。
日本人はロジカルなデザイン構築においては欧米を上回るノウハウがあります。
感覚的に優れたデザインを生み出すことができる欧米は、それはそれでメリットが強みがありますが、日本は論理的にデザインを構築することができる特殊な能力があります。
これは少なくともウェブデザインにおいては、欧米の著書、日本の著書を中国の著書を見比べると一目瞭然です。
なお、私自身は中国の書店で販売されているすべての中国語のWebデザインの本を読破しています
これらを考えると、自社にいくらデザイナーがいてもウェブサイトの細かなデザインについての指摘はさせない方がいいと言えます。
少なくとも自社デザイナーがウェブデザインについて参加をしたいという場合は、少なくともウェブデザインの本を3冊から5冊ぐらいはしっかり読むことをおすすめします。
そうでないと膨大な無駄がうまれマーケティング要素もない、もはや誰のためになんのために作ってるのか分からないサイトになるからです。
そうするともちろん集客はできない、お客様からも見づらいと言われる、どこに何があるのかよくわからない、いつもみんなが見ているサイトとは違うなんだかよく使いづらいサイトになってしまうんですね。
また、ウェブサイト製作者側がデザインの提案をしても、元々の知識がない一般デザイナーの方がウェブサイトデザインについて知識なく意見をしようとし、大量の意見の衝突が生まれてしまいます。ウェブデザインというものに対しての共通認識がないからですね。保有している知識の知識差がありすぎて、もはや会話にならないのです。
そして、結果的にはお客様の意見を優先するということで、プログラマーが今後のサイト運営で相当非効率なことを承知の上で、仕方なく力技でそのように見えるデザインを構築することになります。
今回はデザイナーがウェブデザインをすると大変なことになると言う話でした。